昭和16~17年 対幅半切 137×34cm
中国・明末の洪応明著『菜根譚』の言葉で、敏雄が座右の銘としていた言葉。敏雄は『人類の朝光』で次のように書いている。 「まばらな竹林に風が吹き込んで来ると、竹はざわざわと声を立てて、枝も葉も、ざわざわと動く。しかし風が過ぎると、さっと止んで、元の静けさに帰る、後に何も留めぬ。人の心もこのように、ものごとが起こり、必要のある時には、活発に動き、それが去ると、元の静けさに帰って、何も残さぬ。これが人の正しい在り方だと、古人が教えてくれた」